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ISOとは?仕組みや目的について解説

2025/03/26
ISOとは?仕組みや目的について解説

製品を国際間での取引で円滑に運ぶには、製品やサービスのレベルを世界中で統一する必要があります。

ISOやIECをはじめとした国際規格は、それらの要件を満たすことができます。

本記事ではISOについてカンタンに解説、初心者でもわかりやすい内容になっていますので、ぜひご一読お願いいたします!

 

ISOとは?

ISOとはスイスのジュネーブに本部を置く、国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称で、製品やサービスの国際規格を制定する非政府機関です。ISOは世界中の製品の品質やサイズ、サービスが統一される世界基準となり、国際間での取引を円滑に進めることができます。
つまり、世界中で同じ品質の製品やサービスを提供したり、外国との取引をスムーズに進めるための規格なのです。

ISOが制定した規格はISO規格と呼ばれ、ISO規格には「モノ規格」「マネジメントシステム規格」の二つに分類されます。

 

モノ規格

製品のサイズや形状、質量などを統一化する規格です。クレジットカードのサイズやA判用紙などが該当します。

 

マネジメントシステム規格

製品やサービスの質を継続的に向上させていくことを目的とした規格のISO9001(品質マネジメントシステム)をはじめ、環境に対する負荷を減らし、サスティナブルな環境パフォーマンスの向上を目的としたISO14001(環境マネジメントシステム)などが有名です。

服飾資材メーカーである我々フジリュウはISO 9001を取得しています。

ISOの例

ISOには製品の質そのものだけでなく、環境活動や品質活動を管理するための品質マネジメントシステムなどの規格もあります。

この項目では、ISOの例をいくつかご紹介いたします。

モノ規格

製品そのもの品質やサイズ、物理的な特性などを制定する規格です。
みなさんにとっても馴染み深い製品もISO規格によってサイズ・特性が定められています。

モノ規格の例

ISO 216 紙のサイズ(A4、A3など)
ISO/IEC 7810 クレジットカードなどのサイズや物理的特性(曲げに対する強さや熱、光に対する強さ)
ISO 7010 非常口、火気厳禁など危険標識・警告標識・安全標識のマーク

 

マネジメントシステム規格

マネジメントシステム規格とは、組織の運用効率を向上させ、製品やサービスの質を管理するための仕組みです。

マネジメントシステム規格の例

ISO9001 品質マネジメントシステム(QMS):品質・サービスの質を継続的に向上することを目的とした規格。
ISO14001 環境マネジメントシステム:環境リスクを減らす。省エネなどによるコストの削減などを目的とした規格。
ISO27001 情報セキュリティマネジメントシステム:情報の機密性を高めることを目的とした規格。個人情報や秘匿性の高い情報を取り扱う場合に取得する。

 

マネジメントシステム認証の流れ

ISO取得する上で企業によってさまざまな工程がありますが、一般的な流れをカンタンにご説明します。

 

1. 取得するISO規格の決定

ISO9001やISO14001など様々ある規格の中から取得したい規格を選択します。また、自社によって構築。運用する適応範囲を決定します。
場合によってはコンサルタントに依頼をし、取得サポートを受けます。

 

2. 社内告知(キックオフ宣言)

ISO取得の旨を社員に告知します。その中で、ISO担当者を決定します。

 

3. マネジメントシステム・文書の構築

ISOの要求事項を満たすルール作りを行い、文書化して保管・記録する。

「4. マネジメントシステムの運用」と共にPDCAサイクルを回す。

 

4. マネジメントシステムの運用

マネジメントレビュー・内部監査を行い、マネジメントシステムの効果を評価します。

 

5. 第一取得審査(文書審査)

ISOの要求項目に沿ったシステムの構築がされているか、またそのシステムが文書化されているかを審査します。

 

6. 第二取得審査(実地審査)

マネジメントシステムの運用状況の審査をします。決められたマネジメントシステムが機能しているかを確認します。

また、各審査後にはシステムの是正があり、マネジメントシステムのブラッシュアップを進めていきます。

 

7. 認証取得

5.6の審査を受けてISOの認証が得られたらISO取得です。

※これらのプロセスはあくまで一例であり、企業によって異なります。

 

8. 維持審査・更新審査

また、ISOの取得が済んでもISO認証機関による審査が続きます。年に一度の維持審査(サーベイランス審査)と三年に一度の更新審査があります。維持審査では主に、前回審査以降の運用状況の確認がされ、更新審査では3年分の運用状況を確認します。

JIS規格との違い

規格といえばJIS規格を思い浮かべる人も多いはず。

ISO規格とJIS規格の違いは簡単にいうと、世界規格か国内規格かの違いです。JIS規格

例えば紙のサイズであるA3、A4などのA判はISO規格、B4などのB判はJIS規格で定められています。

JIS規格は基本的にISO規格をもとにして制定されています。そのため、JIS規格とISO規格は一定の互換性を持っているといえます。

ISOを取得する目的・メリット

ISOを取得すると、その組織は品質の高い製品やサービスの提供を行えるという証明をすることができます。顧客に対して信頼を与えることができ、新規の取引につながったり、既存の顧客と継続的な取引を行うことができる可能性が高まります。
また、継続的なシステムの是正を行うことで、社内体制や業務が整備されるのもメリットの一つです。